ヘミングウェイの酒 byオキ・シロー [読書]
本屋で探し物をしていたところ、
偶々、棚の上に置かれていた本が目に留まりました。
それがこの本でした。
以前にもチラッと書いた記憶が有りますが、
著者のオキ・シロー氏はカクテルを題材にした
ショートストーリーの名手です。
私の好きな作家さんの一人でANA機内誌
「翼の王国」に「Flight Cocktail Story」という
タイトルの連載を長く持たれていたので
目にされたことのある方も多いと思います。
(先日、出張で乗ったら、掲載されていなかったので、現在は、連載を終了されたのかも。)
この本は、幻冬舎の「ポンツーン」という雑誌に連載されていたものを一冊にまとめたものです。
「文豪」と称されるヘミングウェイの著作や記事に現れるお酒やカクテルを
それぞれ短い短編として取上げて、「ヘミングウェイ」という人物の人生を
浮き彫りにしていく手法は、著者の手の内の芸でありますが相変わらず、お見事。
単にお酒を解説するだけでなく、 著者の豊富な実体験や現地へ赴いた経験に基づいて
書かれているので実感と説得力があります。
読みやすい軽い文体ながら、章を積み上げることで出している深みも流石だと思います。
手軽な読み物として、また「ヘミングウェイ」という人物像の解説として、
楽しめる良い著作だと思いました。
ちなみに、この本に出てくる「マンザニラ」っていうシェリー酒、飲んだこと無いんですよね。
一度是非飲んでみなくては。(そっちか?(笑))
ヘミングウェイの酒 byオキ・シロー
発行:河出書房新社
1600円
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